私は釣行後の臭い消しにクエン酸を水に溶かしたものを使用している。
今回はその方法についてのメモだ。
まず、使用しているクエン酸はこれだ。
じゃんじゃん使うので、間違ってもそこらへんの薬局で買ってはいけない。
値段が恐ろしく高いからだ。
この商品が一番安いだろうと思っていたら、この記事を書くにあたって再検索したところ更に300円程安い製品があり動揺している。
さあこれの使い道を解説していこう。
釣りは大きく分けて餌を使った釣りとルアーと呼ばれる疑似餌を使った釣りがある。
私は疑似餌で魚が釣れることが信じられない原始人なので、主に餌を使った釣りを楽しんでいる。
そうすると当然、にょろにょろする多足の虫(ゴカイと呼ばれる)や南極で採れたプランクトン(オキアミ)※1を素手で触ることになるし、釣れた魚も当然臭う。
これらの臭いは強烈なため手に臭いがついてしまう。
この臭いは石鹸では消えず、強くこすったところで手の皮膚がはがれるだけだ。
クエン酸を水に溶かしたものを使用することで、この臭いをかなり低減することができる。
ここから少しお勉強の時間だ。
これらの臭いの原因は「トリメチルアミン」が分解されてできる「メチルアミン」という物質らしい。
魚類は浸透圧調節作用を持つ成分として、トリメチルアミン-N-オキシド (TMAO) を持っていて、TMAOが還元されることでトリメチルアミンとなる。
そしてトリメチルアミンはアルカリ性なんだそうだ。
ならば酸で中和してしまえば話が早い。
クエン酸の出番だ。
バケツ1杯にクエン酸大さじ5杯程度(50gくらい)を入れ、ぬるま湯(30~40℃)で良く溶かしたクエン酸水溶液をつくる。
臭いが気になるようであれば、もっとクエン酸を加えて濃くしても良い。
水溶液に手を突っ込むと、肌の表面がちょっととけてヌルっとするくらいが私のお気に入りだ。
この中に釣行で着た服やタオルなどをまとめて突っ込み、料理の最中漬けっぱなしにした後、流水ですすぎ衣類は洗濯する。
魚を持ち帰ったクーラーボックスも同様のクエン酸水溶液で満たし、フィッシュクリップ、針外し、魚を捌いたナイフ、魚に接触した保冷剤を漬けておく。
この処理で大体のものはほとんど気にならないレベルまで臭いが落ちる。
世の中に魚の臭い消しグッズは数多あるが、この方法が最も安上がりだと思っている。
お酢も使えるが、魚の臭いより酢の臭いが強く残ってしまう※2ためあまりお勧めしない。
また、釣行の際にはクエン酸水溶液の入ったスプレーも持参している。
納竿後、魚臭い手でV7 Stoneのハンドルを握るわけにはいかないので、手にクエン酸水溶液をスプレーし流水ですすいだ後、以下のようなパウダーフリーの手袋を着用したうえでグローブを装着する。
もっと安いグローブがあるのかもしれないが、このあたりが対費用効果に優れていると感じている。
釣りを趣味にしたいと思ってしり込みされる理由の一つに「くさい」と言うイメージがある。
魚を捌いた後のキッチンなんかは激臭だし、釣り場も餌が残っていたりすると臭いし鬱陶しい虫が寄ってくる。
これらの対策にクエン酸水溶液が有効だ。
クエン酸水溶液を使ってクリーンな釣り人が増えれば、釣りと言う趣味の地位向上が見込めるかもしれない。
※1 2018.08.04 オキアミについて追記
釣り餌として使われるオキアミはナンキョクオキアミと言うらしい。
人類のオキアミの捕獲量は生態系にほとんど影響のない量だそうだ。
オキアミ類は世界中にたくさんの種類がいて、日本にもツノナシオキアミという種類がいる。
これらは春に三陸沖で漁獲されるそうだ。
(マルハニチロのおさかなギャラリーと広松久水産株式会社のwebサイトを参考にしました。)
ishikuro
※2 2018.08.14 酢について追記
酢の臭いが強く残るとのことだが、これは私が酢を入れすぎていただけでちゃんと中和させれば臭いは消える。
逆に言うと、酢を少しずつ入れていき、臭いが無くなれば中和完了と言うお手軽指標になりうる。
この方法については随時実験をする予定。
どうやっても酢の匂いが残ってしまいました。
クエン酸での処理をお勧めします。
ishikuro