私は静かな美術エリアを離れ、北京の渋谷と呼ばれる西単地区にやってきた。
若者が多い街というのは賑わっていて活気があり、面白いものがあるだろうという期待からだ。
しかしその期待は見事に裏切られることになる。
ショッピングモールが立ち並び、いかにも最近発展した街といった感じだ。
しかし私が期待するようなサイケでギークな商品は見当たらない。
来る街を間違えたな。
空腹で限界だったので、ショッピングモール内のフードコートでお茶を濁す。
ナンの中に味付けひき肉が入っている。
手前の穴が高温の窯になっていて、そこの壁面に貼り付けて加熱調理をしていた。
電気代さえ何とかすれば、日本でも流行りそうだな。
海外のショッピングモールは、その国独自のこだわりを見ることができるから好きなのだけれど、今回は全く面白くなかった。
歳を取ったのだろうか。
期待外れの場所に、長居は無用だ。
私は夕飯に決めていたジャージャー麺のお店を目指した。